大人のための星とタロット/文月メロ

火星が蟹座へ|攻めるより、守る。心をディフェンスするということ

火星が蟹座へ|攻めるより、守る。心をディフェンスするということ


☆本日8月11日17時32分、火星が蟹座へ入りました。
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占星術では、天体が新しいサインへ移ることを「イングレス」と呼びます。
火星というと、行動力、情熱、闘か争心、前へ進む力などを象徴する天体です。「戦う」「攻める」というイメージも強い火星ですが、今日、蟹座へ入った火星を眺めながら、私は少し違うことを考えていました。
火星には、攻めるだけではなく「守る力」もあるのではないか。そんなことを思ったのです。


☆蟹座火星は「ここだけは譲れない」


蟹座は、家族や身近な人、居場所、安心できる場所、そして心や感情など、自分にとって大切なものを守ろうとするサインです。
蟹には硬い甲羅があります。柔らかな自分を守るための甲羅です。そこへ火星が入ると、


「これは私にとって大切なもの」

「ここから先には入ってほしくない」

「ここだけは譲れない」



そんなふうに、自分にとって大切なものを守るためにエネルギーを使うこともあるのではないでしょうか。
相手へ剣を向けるのではなく、自分の前に盾を置く。今回の蟹座火星を、私はそんな「ディフェンスする火星」として考えてみたいと思いました。


☆「寄り添う」とは、どういうことなのだろう


実は私は昨日から、ずっと考えていることがあります。それは、「人に寄り添うとは、どういうことなのだろう」ということです。
占い師としてさまざまなお話を伺っていると、ときに、ひとつのことへ向けられる人の思いの強さに圧倒されることがあります。一般的には、それを「執着」と呼ぶこともあるでしょう。けれど、そこには愛情もあれば、希望もある。不安や寂しさ、怒り、「失いたくない」という気持ちが隠れていることもあります。

「もう手放したほうがいいですよ」

そう言ってしまうのは簡単です。けれど、本人にとって簡単に手放せるものなら、これほど悩んではいないでしょう。だからといって、相手が望んでいる方向へ何でも一緒になって進むことが、本当に「寄り添うこと」なのだろうか。
ここが、今も私には分かりません。目の前にいる人の感情を、どこまで受け取るのか。そこには、決まったマニュアルがないのです。


☆生身の人間と人間が向き合う場所


実際の鑑定は、もっと泥くさいものです。人の気持ちは矛盾します。

「分かっているけれど、やめられない」

「諦めたほうがいいのかもしれない。でも諦めたくない」


そんな相反する気持ちを同時に抱えることもあります。占い師も、生身の人間です。相談してくださる方の強い感情を受け取ることもあります。近づきすぎれば、その感情の中へ一緒に入ってしまう。けれど離れすぎれば、その人の心には届かないかもしれません。
最近、少しずつ思うようになったことがあります。それは、「寄り添うこと」と「同化すること」は違うのではないか、ということです。
相手の気持ちを理解しようとすること。その痛みや寂しさに耳を傾けること。それは大切にしたい。でも、相手の感情をすべて自分の中へ入れてしまったら、今度は受け止める側が疲弊してしまいます。
人の心に寄り添う仕事だからこそ、自分自身の心を守ることも必要なのではないか。境界線を引くことは、相手を拒絶することではありません。もしかすると、長く人と向き合い続けるために必要な「甲羅」のようなものなのかもしれません。

☆私が守りたいもの


今日、火星が蟹座へ入ったことを考えながら、「では、私は何を守りたいのだろう?」と、自分に問いかけてみました。
最初に浮かんだのは、相談してくださる方の心でした。傷ついている人の心を、さらに傷つけるようなことはしたくない。できることなら、その人が少しでも自分らしい場所へ戻っていくためのお手伝いをしたい。
でも、もうひとつありました。私自身の心です。
どちらか一方を犠牲にするのではなく、相談してくださる方の心も、自分の心も、同じように大切にしながら人と向き合っていきたい。もしかすると、それが今の私にとっての、「ここだけは譲れないこと」なのかもしれません。


☆攻めるより、守る


火星というと、どうしても「前へ出る」「戦う」「勝ち取る」という方向へ意識が向きます。でも戦う力には、自分の大切なものを守る力も含まれているはずです。
誰かを攻撃するためではなく、自分の大切なものの前に立つために火星を使う。「ここから先は大切な場所だから、守ります」——そう言えることも、ひとつの強さなのではないでしょうか。
蟹の甲羅は、外の世界を拒絶するためにあるのではなく、柔らかな自分を守りながら外の世界と関わっていくためにあります。私たちにも、そんな甲羅が必要なときがあるのかもしれません。

☆答えは、まだ出ていません


残念ながら、寄り添うことの答えは、私にもまだありません。きっと相手が違えば、ちょうどよい距離も違うのでしょう。
火星が蟹座へ入った今日。「何かを勝ち取るために、もっと頑張らなくては」ではなく、「私は何を守りたいのだろう?」と考えてみる。

家族かもしれません。大切な人かもしれません。自分の居場所かもしれません。そして、自分自身の心かもしれません。
守りたいものが見えてくると、「ここだけは譲れない」という自分自身の境界線も、少しずつ見えてくるのではないでしょうか。
私自身も、まだその答えを探している途中です。そして今夜もまた、答えを探しながら鑑定に向かいます。


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